そして「書かれた順で読む」ことを選んだ理由
アガサ・クリスティ作品を最初から順番に読もうと思ったのは、最初からそう決めていたわけではありません。
きっかけは、
『ABC殺人事件』と『そして誰もいなくなった』でした。
名探偵コナンの影響で手に取ったこの二冊を、
気づけば無我夢中で読んでいました。
ページをめくる手が止まらず、
読み終えたあとには、
「なんて面白いんだろう……」
という驚きと感動が一気に押し寄せてきました。
正直に言えば、
ここまで完成度の高い作品だとは思っていませんでした。
そして同時に、
「この作家は、これを一作や二作で終わらせていない」
という事実に気づきます。
アガサ・クリスティには、
信じられないほど多くの作品があります。
長編、短編集、戯曲、ロマンス作品。
ポアロ、マープル、トミー&タペンス……。
ここで、ふと思いました。
これだけの量を書いている作家なら、
人として、作家として、
確実に変化し、成長しているはずではないか。
それなら、
完成された代表作から点で読むよりも、
書かれた順に追っていった方が、
もっと深く楽しめるのではないか。
そう考えるようになりました。
「発表順」ではなく、「書かれた順」にした理由
一般的には、作品は「発表順」や「刊行順」で語られることが多いです。
ですが調べていくうちに、
いくつか気になる点が出てきました。
・新聞連載が先で、書籍化が何十年も後の作品
・執筆は早いが、作者自身の意図で発表を遅らせた作品
・死後に出版されることを前提に書かれた作品
単純な刊行年順では、
アガサ・クリスティがどの時期に、どんな気持ちで書いたのか
が見えにくくなってしまいます。
だから私は、
「読者に出た年」よりも、
「書かれた時間軸」をできるだけ尊重する
という基準を選びました。
例外がある場合は、
その理由を注記する。
基準は変えない。
そうして作ったのが、 この年表 です。
今読んでいる位置について
現在、『殺人は容易だ』を読み終えたところです。
この作品を読んでいて感じたのは、
単なるトリックの巧さだけではなく、
人間や社会の暗い部分に、
少しずつ視線が向き始めていることでした。
これが、
後の作品にどうつながっていくのか。
すでに読んだ『そして誰もいなくなった』が、
なぜあの形にたどり着いたのか。
書いた順で読んでいるからこそ、
その流れが少しずつ見えてきます。
年表について
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この年表は、
私と同じように、
・アガサ・クリスティ作品を
書かれた順に近い形で読んでみたい
・作家としての変化や成長も含めて味わいたい
そう思う方のために、
そして何より、自分自身の読書のために作成しました。
完璧な答えではありませんが、
一つの読み方として、
誰かの参考になれば嬉しいです。
アガサ・クリスティ作品一覧・年表

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