第2部|なぜ「誰か」が悪者にされるのか

歴史はなぜ繰り返されるのか

―― 戦争といじめは、同じ構造だった





なぜユダヤ人が標的にされたのか

──「理由があった」のではなく、「都合が良かった」

結論から言う。
ユダヤ人が標的にされたのは、何か悪いことをしたからではない。
「都合が良かった」からだ。



第一次世界大戦後のドイツは、
敗戦・賠償・貧困・失業で社会全体が不安定だった。

人は、不安が限界に近づくと、
複雑な原因より、分かりやすい犯人を求める。

そこで選ばれた条件が、これだった。

・人数が少ない
・以前から偏見がある
・目立つ立場にいる人が一部にいる
・反撃しにくい

当時のユダヤ人は、まさにこれに当てはまっていた。

ナチスは、
「戦争は負けていない」
「裏切り者が内部にいた」
という物語を作り、
その役をユダヤ人に押し付けた。

これは事実ではない。
責任転嫁のための物語だった。

重要なのは、
これは特殊な出来事ではないということ。

集団が不安になると、

・説明しやすい敵を作る
・理由は後から付ける
・排除を正当化する

この流れは、
国家でも、学校でも、職場でも起きる。

だからこれは、
「過去の異常な人たちの話」ではない。

人間社会が、条件次第で繰り返す構造の話だ。

ユダヤ人は「原因」ではなかった。
押し付けられた結果だった。


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