電話一本で分かる、非常識な人

ランチ予約の電話一本で分かる、非常識な人の気味の悪さ



飲食店で働いていると、たまに「面倒な客」では済まない人間に当たる。 ルールを知らないのではない。分かっていて、崩そうとしてくる人だ。

今回の電話は、まさにそれだった。

確認もせず、いきなり予約を入れてくる

そもそも、うちの店はランチ予約をやっていると公表していない。 それなのに相手は、まず「ランチ予約できますか?」の確認すらしない。 最初から当然のように「何日の12時に4人で」と言ってきた。

この時点でだいぶおかしい。 予約を受けているかどうか分からない店に対して、確認なしで人数と時間を指定してくる。 それを当然のようにやる時点で、感覚がずれている。

最初にルールを伝えても、なお粘る

こちらは最初の段階で、はっきり「一人1注文です」と伝えた。 曖昧には言っていない。かなり明確に言っている。

まともな人なら、この時点で条件に合わないと思ったら引く。 非常識でも、まだ救いようのある人なら、ここで諦める。 でもそうではなかった。

あっちは条件を飲む気がないのに、会話だけは終わらせない。 こちらが「それなら無理です」と言う方向へ持っていくための確認しかしていないのに、そこにグダグダ食い下がってくる。

つまり、諦める気がない。 何とか押し切れないか、どこかで例外にならないか、それだけを探っている。

都合の悪いことを、全部あとから出してくる

しかも厄介なのは、話が全部後出しなことだ。

最後のほうになってから、「子供がいるけどいいよね?」と言ってくる。 こちらが一人1注文を確認すると、一度は了承したような返事をする。 ところが、再確認すると、今度は「3歳か4歳なの」と言い出す。

さらに確認すると、「大人4人と、子供が一人」と言う。 そして慌てて、「子供は小さいから席は取らない、いらない」みたいなことを付け足してくる。

ここまで来ると、もう見え透いている。 最初から正直に言ったら通らないと分かっているから、小出しにしているだけだ。

本当に最初から誠実に確認する気があるなら、 「大人4人と幼児1人だけど、子供は食事なしでも大丈夫か」 と最初に聞けば済む。

それをしないのは、断られる可能性が高いと自分でも分かっているからだ。 だから先に本題だけ押し込み、都合の悪い条件は後ろに回す。 卑しいやり方そのものだと思う。

質問にまともに答えず、話を濁す人は危ない

こちらは確認のために、 「4人で来て、4人分の注文をするということでいいですね」 「5人で来て、5人分注文するということですね」 と聞いている。

それに対して、素直に答えない。 「小鉢だけ注文するから」とか何とか、はっきりしないことを小さい声でしどろもどろに言う。

でも、うちは一人1注文。単品もない。 なら答えは簡単だ。 人数分注文するか、余分に払うか、その二択しかない。

なのに、そのどちらも避けたい。 でも席は使いたい。 そこだけは異様にはっきりしている。

こういう人は、来店してからも必ず揉める。 注文でも会計でも席でも、何かしら面倒を起こす。 電話の時点で十分過ぎるほど分かる。

客側が復唱してきたのも、かなり異様だった

もう一つ気味が悪かったのが、相手が自分で復唱してきたことだ。

普通、復唱は店側がするものだと思っている。 客が言った内容に対して、店のメモや認識が合っているかを確認するために、店側が復唱する。 それが自然な流れだ。

なのに今回は、相手の方が自分でダラダラと全部つなげて復唱していた。 しかも滑舌が悪く、何を言っているのか聞き取りにくい。

正直、かなり不気味だった。 約10年接客業をしてきたけれど、客側がああいう形で復唱してきたのは初めて。

非常識な人というのは、一つだけおかしいわけではない。 予約の入れ方もおかしい。 話の順番もおかしい。 質問への答え方もおかしい。 そして、普通の人がしないようなことを平然とする。

だから違和感が強い。 一点だけではなく、全体がずれている。 いろいろな部分で他の人と違う。 その違いが積み重なるから、余計に気味が悪い。

接客業は、非常識な人のためにあるわけではない

こういう話をすると、たまに「子供がいるなら仕方ない」「少し融通してあげても」と言う人がいる。 だが、こちらは慈善事業をしているわけではない。

席には限りがある。 時間にも限りがある。 人手にも限りがある。 ランチ営業は特にそうだ。

その限られた資源を、最初からルールを守る気もなく、都合の悪いことを隠して押し通そうとする相手に使う理由がない。

毎日来てくれる常連でもない。 見ず知らずの初回の相手に、なぜそこまでこちらが譲らないといけないのか。 しかも、ケチる気満々の相手に。

結局、こういう相手に関わる時間が一番無駄

一番腹が立つのは、こういう手合いは最初から正直に言えば、お互いすぐ終わるということだ。

「大人4人と子供1人です。子供は食べませんが大丈夫ですか」 こう聞けば、こちらもすぐ答えられる。 無理なら無理で終わりだ。

なのに、それをしない。 都合の悪いことを隠して、あとから少しずつ出して、何とか通そうとする。 そのせいで時間だけが無駄になる。
この間にも、来店中のお客様の対応がいくつも出来たのに。

誰も得しない。 ただただ、まともに働いている側の時間と神経を削るだけ。

結論

非常識な人は、ひとつの行動だけがおかしいのではない。 予約の取り方、話し方、タイミング、答え方、確認の仕方、全部にその人間性が出る。

今回の相手もそうだった。 最初から最後まで、都合の悪いことは隠す、質問にはまっすぐ答えない、ルールは崩せると思っている、そして無駄に粘る。

こういう相手は、関わるだけ損だと思う。 電話の時点で切れたなら、それで正解。 店に来てから面倒を起こされるより、はるかにましだ。

接客業をしていると、たまに「客」という立場を免罪符にして、何をしてもいいと思っている人間に当たる。 だが、店側にも断る権利はある。 非常識な相手を受け入れないのは冷たいのではない。 当たり前の自衛だ。

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