第3話 辞めたかった学校と、「ボス」の存在

クラスにも、
理由ははっきりしないけれど、
明らかに私を嫌っている子がいた。

中高一貫校の、一貫生の子。
私は、その子のことを「ボス」と呼んでいる。


ボスとは、
一度も話したことがない。
同じクラスや部活になったこともない。
直接、何かをされたこともない。

ただひとつ、
私のことを嫌っていることだけは、
態度ではっきり分かった。


他の一貫生の子が、
私と話している時に見せる、
ボスの表情が忘れられない。

明らかに、空気が変わる。


ボスと昔から仲の良い子は、
ボスがいない時には、
他の子と同じように、普通に接してくれた。

でも、ボスがいる場では、
驚くほど冷たくなった。

そこで私は悟った。

これは、
私個人の問題ではなく、

立場や関係性の力が働いているのだと。

そしてもうひとつ。

寮で最初に事実ではない言葉を
Bちゃんに伝えたAちゃんは、
そのボスと、非常に仲が良かった。

これが偶然なのか、
意図的なものなのか、
真実は分からない。

でも、
ボスの影響力を考えると、
何かが裏で動いていたとしても、
不思議ではないと、
私は今でも思っている。

だから、
私は彼女のことを「ボス」と呼んでいる。


ただし、
これは私の推測でしかない。

でも、
直接的な攻撃がなくても、
人は簡単に孤立させられる。

それだけは、
身をもって知った。


クラスでは、
なるべく目立たないように過ごした。

必要以上に話さない。
波風を立てない。
静かに、そこにいる。

それでも、
私と関わってくれる子たちはいた。

だから、
ドラマのような分かりやすいいじめではなかった。

ただ、
常に気を遣い続ける生活で、
心は確実に疲弊していた。


寮も、クラスも、
居心地はとても悪かった。

常に気を遣い続ける生活は、
確実に心を削っていった。

だから、
私は学校を辞めたいと思った。




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