目に見えぬ深い傷。

性被害の傷は、目に見えない

昔は刑事ドラマが好きだった。

でも、今は見ない。

理由はひとつ。

性被害の描写が、ほぼ必ずあるからだ。

突然、引き戻される

何の前触れもなく、場面が始まる。

その瞬間、身体が反応する。

呼吸が変わる。
心臓が速くなる。
記憶が鮮明によみがえる。

フラッシュバック。

少なくとも一時間、大号泣する。

こんなにしんどいことはない。

時間は、万能ではない

何年も経った。

もう大丈夫だと思っていた。

でも違った。

深い傷の上に、
薄い絆創膏を貼って生きているだけだった。

普段は平気に見える。

でも、触れられるとすぐに剥がれる。

目に見えない傷

性被害は、骨折のようにレントゲンには写らない。

でも、確実に神経に残る。

匂い。
音。
言葉。
映像。

きっかけはどこにでもある。

そして身体は、
「あの時」と同じ危険を感じてしまう。

弱さではない

フラッシュバックは、弱さではない。

過剰反応でもない。

身体が、必死に生き延びようとした証拠だ。

だから私は、刑事ドラマを見ない。

それは逃げではない。

自分を守る選択だ。

性被害は、そういうもの

目に見えない、深い傷を負う。

時間が経てば消える、という単純なものではない。

それでも生きている。

絆創膏を貼りながらでも、前に進んでいる。

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