第1話 嘘から始まった、静かな孤立

高校生の頃、私は寮生活をしていた。
そこで起きた出来事が、私の居場所を静かに奪っていった。

始まりは、Aちゃんの一言だった。

Aちゃんが、Bちゃんにこう言ったらしい。
「〇〇(私)が、『Bちゃんと一緒にいると疲れる』って言ってたよ」

それは、事実ではない。
Aちゃんの言葉が本当かどうか、 私はそんなことを、一度も言っていなかった。


Bちゃんは憤慨し、
私に手紙を書いてきた。

そこに並んでいたのは、
これでもか、というほどの誹謗中傷だった。

正直に言うと、
その言葉のひとつひとつは、私を傷つけなかった。

小学生の頃、
男の子たちに何度も言われて、
泣いてきた言葉ばかりだったからだ。

耐性が、できてしまっていた。


でも、どうしても許せなかったことがある。

Aちゃんの言葉が本当かどうか、
Bちゃんは一度も私に確認しなかったこと。

その一点だった。

私は憤慨し、
怒りの勢いで、Bちゃんに返事を書いた。

相手を傷つけようと思えば、
言葉はいくらでも思いつく。
そのまま、渡してしまった。


しばらくして、冷静になった。

「これは違う」
そう思い、Bちゃんからの返事を待たずに、
もう一通、手紙を書いた。

勢いで書いたことへの謝罪。
Aちゃんの話は事実ではないこと。
誤解だということ。

でも、もう遅かった。

返ってきたのは、
怒りだけが詰まった手紙だった。

私は、諦めた。


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